大香と建築家・隈研吾氏との出会いは2013年秋に遡ります。2014年早春に、世界中から招かれた6名の最もクリエイティブな建築家による革新的なエキシビションが、英国・ロンドンの王立芸術院(Royal Academy of Arts London)で開催されることになりました。建築とその空間が、私たちの生活に与える新たな可能性を探る”Sensing Spaces”。五感を刺激する体感型の展示会です。この展示会に招かれた隈氏は、テーマに「嗅覚、香り」を選びました。縁あって、大香は隈氏の構造物に香りをのせ、展示スペースを香らせる重要なパートに参加することに。様々な試行錯誤を重ねた甲斐があり、ロンドンでの展示は大成功のうちに終わりました。それから3年後の2018年3月。東京ステーションギャラリーにて隈研吾氏の個展的な展覧会「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」が開催されました。隈氏がこれまでに手掛けてきた、建築設計やプロダクトデザインなどを、時系列ではなく主要なマテリアル(竹、木、紙、石、土など)ごとに分類・整理することで、“もの” という観点から、これからの物質と人間の関わり方の未来像を提示した展覧会です。再びお声がけいただき、展覧会の新作パビリオンとして「香柱(こうちゅう)」を展示。畳の香りに浸した小さく細い竹ひごによる、物質のボリュームを削った透明な香りの空間作りに参加しました。「Sensing Spaces」と「くまのもの」Sensing Spaces Architecture Reimagined : Kengo KumaJan.25-Apr.6 2014 at Royal Academy of Arts London建築家・東京大学教授。近作に、サントリー美術館、根津美術館、浅草文化観光センター、長岡市民ホール、歌舞伎座、ブザンソン芸術文化センター、マルセイユ現代美術センターがあり、現在、国内外で多数のプロジェクトが進行中。著書は「小さな建築」(岩波新書)「建築家、走る」(新潮社)他、多数。隈研吾(くま けんご)Photo © J.C. Carbonneくまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質東京ステーションギャラリー会期:2018 年3月3日(土)- 5月6日(日)© manhole©Kengo Kuma & Associates4
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